時代の流れとともに医療は着実に進歩していますが、そこには人手不足という大きな問題が未だ解消されずにいます。この問題は世の中のあらゆる業界でクローズアップされていますが、取り分け医療の現場では深刻な問題として挙げられています。
例えば、看護師の人材不足は全国的に叫ばれており、病院やクリニックだけではなく福祉施設なにいおても状況は同じです。こうした状況ではありますが、看護師の就職や転職などは比較的有利だという捉え方もあります。看護師が転職をする理由は様々ですが、中でも多いのは給料などの待遇の不満をはじめ、同僚や上司との人間関係、自己のステップアップ、女性の結婚や出産、育児などのライフイベントによるものが多いです。
看護師を求めている現場は数多くあり、この職業はいつの時代も人材不足だといわれています。看護師が転職を考える場合、働く場所として医療機関以外にも活躍できるところがあるのではないか、と根気よく探すことも大切です。自分の条件に合う職場に出会うためには視野をもっと広げるとよいでしょう。
日本は既に高齢化社会に突入しています。全国各地に介護施設などが造られ、最近では訪問看護ステーションのサービスも注目されています。看護師として介護施設で働くという選択肢に目を向てみるのもよいのではないでしょうか。転職を考える際に大切なことは、自分が理想とする働き方ができるかどうか、それを念頭に入れて活動をすることが望ましいでしょう。
クリニカルラダーは、看護師の能力を開発したり、評価したりするシステムのことです。論理的で的確に判断し、ニーズに合わせたケアを実践できるかどうかを判断します。クリニカルラダーを日本語に直訳すると「医療のはしご」となるので、医療をつなぐかけ橋といったところでしょうか。
日本看護協会が発表する指標は「ニーズを捉える力」「ケアする力」「協働する力」「意思決定を支える力」の4つで、それぞれの項目において5段階の評価基準があります。
看護師にとっては、職務経験に応じて次のステップを目指すための目標、いわば生涯研修といえるでしょう。
では、クリニカルラダーが、どうして必要になるかということについてお話しましょう。
これまでにも大きな病院が主となってクリニカルラダーは行われていますが、その指標は病院ごとにまちまちです。中途採用であれば、その判断基準は難しくなるでしょう。
また、世間ですでに知られているように、これからの時代は超高齢化社会になります。日本看護協会では、ケアを受ける人のニーズに応えるには、全体の看護基盤を一定水準に引き上げる必要があると考えています。規模の小さい病院や訪問介護、高齢者介護施設においても、国内共通のクリニカルラダーが導入され、広がるはずです。
国内共通のクリニカルラダーは、人と人、あるいは人と医療機関をつなぐ重要な役割を果たすことになることでしょう。しかし、一方では看護師の仕事の大変さを考えると、スムーズに進まないといった懸念もあります。こうした問題点を解決しながら、住みやすい地域づくりを目指したいものです。